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リフォーム費用を全額修繕費として経費計上する方法

大西です。

皆さんは収益物件のリフォームを行ったとき、どのような勘定科目で会計処理をしていますでしょうか?

大きな金額となると建物価格に乗せて減価償却されているケースを多く見受けられますが、実はそのリフォーム費用、一括で経費にできる可能性があります。

資本的支出と修繕費

形式基準による修繕費の判定方法によると以下のように定められています。

【改正】 (形式基準による修繕費の判定)

7-8-4 一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合において、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理をすることができるものとする。

(1) その金額が60万円に満たない場合

(2) その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合

これにより、建物価格の10%を超えた場合、基本的支出として計上し減価償却を取られる方が多くいますが、必ずしもこの基準通りにしなければならないという訳ではありません。

修繕費として計上する方法

実は、60万円以上であったり、取得価格の10%以上であっても、『現状回復』であれば修繕費として計上できます。

『現状回復』というのは、もともとあった材質や部材、機能と同等のものを入れ替えたり、回復させたりといった修繕のことを指します。

和室を改良して洋室にしたりする行為は機能の向上があり資本的支出になりますが、例えば屋根の葺き替えで300万円かかったとしても、それが建物の維持管理のために必要でグレードアップではない修繕方法であるのであれば金額に関わらず、『現状回復』にともなう修繕費として計上することができます。

注意

事業開始前、物件を取得しリフォームしたところで貸し出すのであれば現状回復であっても資本的支出になり減価償却していくこととなりますのでご注意下さい。

まとめ

形式基準を超える金額であっても、あくまで『現状回復』であれば修繕費として計上できます。減価償却ではなく、一括で経費計上できれば早めにキャッシュを貯めることができますので参考にしてみて下さい。

またこれらは判定方法を保証するものではありません。税務署に指摘されたお客様を見たことはありませんが会計処理は担当の税理士にご相談下さい。