知っておくと有利なこと

アメリカの不動産エージェントは皆個人事業主

大西です。

皆さん日本で中古の自宅を購入したいまたは売却したいという時、どこに依頼をされますか?

ほとんどの方が、三井か住友、東急、野村、有楽と自宅の近くに支店をかまえる『大手の不動産会社』に依頼をされるのではないでしょうか?

地元で30年続く小さな不動産屋よりも、なんとなく大手の不動産会社の方が安心といったイメージがありますね。

日本の方は『個人』ではなく『会社』を信頼をされる方が多いと感じます。

という私の社会人のスタートも住友の営業マンでした。

新卒時代にも、チラシを巻けば(非効率かつ迷惑でしたすみません)多くの反響がきて、実務やエリアにまだ詳しくないときでも多くの取引をさせて頂き経験を積むことができました。

当時23才くらいですので妻もいなければ家を持つ覚悟や資金繰りを自分が経験していないにも関わらず、売買を任せて頂けたのは会社名が99%だったように思います。

街場の小さな不動産屋のベテラン営業マンに実力が勝ることはなかったと思いますが、それでもありがたいことに沢山お仕事をさせて頂けたのは日本の方が『大手の会社』を信頼する傾向にあるからです。

しかしアメリカではそのようなことは少ないように思います。

特に不動産の世界では如実で、個人の実力や知識、経験が試されます。

なぜならアメリカでは例えばセンチュリートゥエンティーワンのような会社に所属し、看板を借りながらも全員が個人事業主として働いています。

日本で言う宅建業者はアメリカではブローカーとエージェントの2種類あります。

不動産ブローカーのライセンスを持っているもののみが不動産業を開業することができ、直接取り引きや賃貸付けを行うことができます。エージェントはブローカーからスポンサー(看板を借り)してもらうことでビジネスを行っています。ブローカーはエージェントの取引に関して責任を持つ代わりにエージェントが受け取るフィーの一部を受け取るという仕組みになっています。

所属しているからといってお客様情報を貰えたり、ブローカーから雇われてお金を貰っているという業態ではありません。成果報酬の厳しい世界です。

ですのでこの会社に所属しているからすごい優秀な人で、万が一何かあれば会社が責任を取ってくれるといった考えをもってはいけません。

ご自身でエージェントの方の考えや対応の速さなど自分とやっていけるかどうか『個人』を見極め判断しなければならないのです。

また個人事業主であるため、基本的にエージェントは事務所を持っておらず、自宅で仕事をしています。

内覧希望があれば現地に集合したり、お客様を車で乗せて回って物件の案内をを行います。

条件交渉などのやり取りもメールや電話で行えますし、契約も電子認証や電子サインを行いますので、日本のように不動産会社に売主と買主が集まって契約書を読み上げてなんてことはありません。

日本の感覚ですと一等地の受付の方がいるような洗練されたオフィスに通されると、とてもしっかりした会社なんだと感じますよね。

通勤がなく経費のウエイトを大きく占めるオフィス代がかかっていませんので、私はとても効率的だと感じますが、現地の不動産価格で仲介してもらえ安く物件を購入することができる一方、判断できる要素がその方自身の立ち振舞や対応でしかありません。

ちなみに日本では個人が不動産を買って手直しして短期で売り抜け(アメリカではflip=フリップと呼ぶ)利ざやを稼ぐことは宅建業に抵触するため行えませんが、アメリカでは個人で行っても問題ありません。

個人でほとんどの方が投資を行う国ですので、不動産の売主の方がエージェントのライセンスを持っており、自分で投資をしながらそのエリアのエージェントとしても活躍していることも珍しくありません。

エージェントがそのエリアで実際に投資を行っているというのも市場ややり方を熟知しているかどうか判断する要素となりますね。

 信頼できるエージェント探しが良い物件探しといっても過言ではありません。ご自身で『会社名』ではなく『個人』をしっかり見るようにして下さい。

アメリカ不動産購入の流れ