大西です。
アメリカで不動産を購入された方は日本での確定申告に合わせて、アメリカでも申告手続きが必要です。今日はその流れや手続き方法についてご説明します。
アメリカでも確定申告は必要?
アメリカで不動産を所有した段階でタックスナンバー(納税者番号)の取得と確定申告を行う義務があります。タックスナンバーの取得はアメリカに所得がなければ申請できませんので、個人の場合は物件を取得した次の年に確定申告と同時に申込をします。法人でアメリカ不動産を購入した場合はすぐにタックスナンバーの取得をしなければなりません
誰に依頼する?
CPA(米国公認会計士)の先生に依頼します。購入した先で紹介があるかと思いますがご自身で依頼されても構いません。アメリカに在住のCPA(日本人もいる)に依頼してもよいですし、日本人で日本在住のCPAを所有している方にお願いすることもできます。
時期は?
前年の収支が出揃ってから書類をお渡して、4月15日までの申告をしなければなりません。どうしても間に合わない方は6ヶ月間の延長申請をすることもできますが、できるだけ早く手続きされることが望ましいです。
費用は?
会計士によって違いがありますが、タックスナンバーを取得するのに300ドル(3.5万円)〜、確定申告は所有物件の種類や複雑さによって違いますが、戸建てや区分マンション1件であれば800ドル(9万円)〜といったところです。物件の件数が増えてもあまり追加料金を取らないところや、購入諸費用や減価償却の基礎となる金額を決めたりと1年目が大変なので2年目から料金が500ドル〜くらに下がる会計士もいますので、ご自身にあった先生を探されることをおすすめします。
必要書類は?
以下の書類を準備して下さい。
・購入価格が分かる書類 売買契約書
・購入諸経費の記載があるもの クロージングステートメント 業者のコンサルティングフィーの領収書
・土地と建物の比率が分かるもの 固定資産税の明細書 or 鑑定書 or 意見書
・収入が分かるもの 収支表 or 銀行の通帳写し
・経費が分かるもの 収支表 リフォームの明細書他
・パスポートの写し
ローンを組まれた方
・認証費用、融資手数料、金銭消費貸借契約証書の印紙代の明細または領収書
・支払金利が分かるもの 返済表
流れ
以下の流れでタックスナンバーの取得と申告手続きを合わせて行います
会計士に依頼
必要書類提出
税理士の聞き取り(書面で提出)
本人確認
出来上がった書類にサイン
郵送
申請
タックスナンバーが自宅に届く
聞き取り事項
申請書を作成するのに本人の情報が必要になり以下の項目をお伝えします。ここまでやってくれる不動産会社と会計士と本人にお任せの業者もいます。
・氏名
・住所(日本語)
・住所(英語)
・連絡先(スカイプ LINE含め)
・既婚 未婚
・不動産以外の米国源泉所得
・旅費、研修費
・米国滞在日数(過去3年間 居住者or 非居住者の判定に必要です)
本人確認
タックスナンバーの取得には公認会計士が本人と対面し身分証明書(パスポート)を提示したうえで本人確認をすることが義務付けられております。
アメリカ在住の会計士であればスカイプやLINEで本人確認を取るのが一般的ですが、日本在住の会計士ですとパスポート認証を公証役場で行い、パスポートのコピーに添付し申請を行いますので手間とプラスで費用がかかります。
申告書にサイン
出来上がった書類(タックスナンバーの申請用紙や確定申告書など)を確認しサインを行います。
アメリカの税理士は結構間違えているのでご自身で確認した方がよいです。減価償却をとれるよう建物比率を高くするために鑑定書を添付しましたが、固定資産税の土地建物比率で計算されていたり、コンサルティングフィーを入れるのを忘れていたりする会計士が実際にいました。
アメリカ人は言わないとやらない人が多いので自分の資産は自分で守る気持ちが必要です。
郵送
アメリカ在住の会計士の場合、W-7(タックスナンバーの申請書)のみ直筆のサインを行い原本を2部郵送することを求められます。丁寧な業者はここまで全て代行してくれます。
必要期間は?
タックスナンバーの取得には最低4〜6週間はかかり、その後申告書の受付となるので2〜3ヶ月はかかると思っていた方がよいです。
終わりに
以上が申告の流れとなります。相場が分からないので言われるままの金額を払われている方も多く見受けられますが、人任せにせず会計士を探すところから自分でやれば経費削減にもつながると思いますので参考にして下さい。