大西です。
日本の火災保険とアメリカの火災保険の構造は同じですが、アメリカの火災保険の方がより現場の実態を取り入れた審査方式を取り入れているケースが多いです。
今日はその違いや注意点についてご説明します。
日本の火災保険
火災保険は、火災時の補償だけではなく、風災や雹災、また盗難や汚破損など災害や事故に至るまでカバーされるのが特徴です。
一方経年劣化による損害においては保険は適用されません。
例えば、台風が来て屋根瓦が吹き飛んでしまったような場合には保険が適用されますが、同じ台風による被害でもコーキングが劣化しその繋ぎ目部分から雨水が入ってきたようなケースには保険の対象とはなりません。
新規加入時の保険料は建物の広さや構造、築年数、地域などによって判断されますが、物件個別の手入れの状態で判断されることはありません。
保険加入金は、全保証物件の1年間の保険金支払い総額により、次の年の新規加入金が増減します。
2020年は関東でも災害が多かったので、2021年以降契約される際には火災保険料は以前より少し上がります。
このように物件全体でリスクをカバーするような構造になっています。
アメリカ不動産の火災保険
アメリカでも物件全体の保険料で損害をカバーするという構造に変わりはありません。
しかし、保険会社からすると、全員から受け取っている保険料より保証による修繕費用が上回ってしまうと事業が成り立たなくなります。
頻繁に災害に会う物件、状態が悪い物件の保証を行うと、全体の保証料を上げざる負えないのが保険の構造です。
そのため、保証会社によっては個別に物件調査を行い、その基準を満たしていない(築が古く劣化している部分がある)場合には保証を行わないということも多いのです。
また火災が発生した物件は保険により建て直しがされますが、その後、他の保険会社も次の補償を拒む、もしくは以前より何割も高い保険料でなければ引き受けないといったことを見かけます。※入居者が同じであったり、周辺環境が同じであるため再発率が高いと見られます。
火災保険会社に断られることはよくある
保険会社によっては個別に物件の調査を行い、保証をするがどうかの決定を行います。
保険会社によっては築古物件の保証を避けていたり、外壁の修繕を直近で行っていないと加入できないということも少なくありません。
これは、支払い保険金を抑え保険金も抑えている方針の保険会社というだけです。
このように保険会社に断られることはアメリカではよくありますが、物件に問題があるということではありません。
他の保険会社では問題なく加入できることも多いので、切り替えればよいだけです。
個別に物件を調査するのはよいこと
日本では保証会社が個別に物件の調査を行うということはありません。
そのため、解体予定の古家付き戸建てなんかでも、近年多い暴風雨により被害をうけ保険金が支払われるケースもあるのです。
怪しい業者が、田舎の築70年などの戸建てを数十万~で購入し、台風がくればラッキーだと説いている説明会も聞いたことがあります。
このようなケースで保険金全体を吊り上げていることもあり、保険会社が取り扱う物件を現場に見に来るというのは良いことだと思います。
実際に被害があった際に保険金を支払う目的で動いてくれているとも取れるでしょう。
まとめ
アメリカでは保険会社が個別に物件調査を行うことがあります。
またこの調査により、保険の対象とならないケースもありますがよくあることです。
別の保険会社に切り替えるなど臨機応変な賃貸経営が求められます。