大西です。
本日、驚きのニュースが舞い込んできました。
生命保険各社が、払込金が損金となり解約時の返戻率が50%以上となる保険の販売を2月14日から一時取りやめました。国税庁がこれらの保険の税務上の取扱を見直し、支払った保険料を損金算入できる範囲に制限をかける検討を始めるためです。
これまで支払いが全額損金になる保険と役員退職金を合わせたスキームがよく使われてきました。
例
会社で保険に入り、年間500万円の保険料を支払う。
500万円が全額損金になるため、法人税概算33%(165万円)が節税できる。
10年間で払込み5000万円、節税額1650万円。
保険を解約、支払いの約85%(4250万円)が返戻金として返ってくる。
本来4250万円が法人の利益となりこれまで節税してきた分の税金がかかるのですが、役員の退職を同じ決算年度に合わせ、その退職金として4250万円を支払うことで法人では退職金が損金となり利益と通算ができます。
退職金を受け取る役員には控除があり非常に低い税率で4250万円を受け取ることができます。
つまり、
法人の支払い 5000万円
法人の節税額 1650万円
役員の受取額 4250万円(退職金の受取に対する税金が勤続年数により変動し多少かかります。)
節税+役員受取 5900万円
10年間で15%ほどプラスになり、それを個人で受け取れてしまいます。
ほとんど節税目的で使われていましたので、それに対し国税のメスが入ったという状況です。
税制が変わるのは突然です。太陽光投資も2年ほどで網がかかりました。
これを受けて、今のうちにオペレーティング・リースや海外不動産投資を買いましょうと業者は言うと思います。
私もやるのであれば法が変わる前に購入した方がよいと思います。
しかし、節税できるからと商品、物件を高値づかみしてしまいますとそれ以上に損をしてしまいます。投資の際には駆け込まずに冷静に判断を行って頂きたいです。