大西です。
皆さん投資用不動産を安く買いたいと思い、毎日毎日インターネットで探していませんか?
そういった誰もが購入したいようなお買い得物件は滅多にでてきませんし、見つけたとしても他の投資家や事業者が同じことを考えているため物件購入まで至るのは簡単なことではありません。
ではどのようにすれば相場より安く物件を買うことができるのでしょうか?
方法は既存の物件に指値を入れて購入することです。
大幅な指値は通らないんじゃないかと思いますよね?みんなそう思うので中には誰も交渉をせず埋もれているものがあります。
それはどんな物件でもよい訳ではありません。普通の売主では大幅指値は気分を害します。しかし、必ずしも全員が嫌がるというわけでもないのです。
安く購入することを考えるには、まずどのような方が相場より安くても物件を手放すのかということを理解しなければなりません。
それは投資用の不動産と居住者が自宅を売る場合で若干異なります。
まず投資用物件に限っては売り急いでいると物件の価格は下がります。例えば相続で現金化を急いでいたり、会社の事業計画で今期中の売却が決められているケースなどです。売り急いでいるのを買い叩くと言っているのではありません。
頭に入れて頂きたいのが、売りたがっている人からでなければ物件を安く購入することはできないということです。インターネットに物件が掲載されているんだから皆売りたいんじゃないのかと思うかもしれませんが必ずしもそうとは限りません。中にはこのくらいの金額で売れれば売りたいし、別に持っていても賃料収入が入ってくるので急がないという人の物件も多く掲載されています。
そのため売却を強く希望している方ではなければなりませんし、より早く現金化をしたい人の方が交渉の余地があります。
ではその方達から物件を安く購入するにはどのようにすれば良いでしょうか?
それは融資特約を付けずに契約することです。
通常はローンが通らなければ売買契約を白紙にすることができますが、決まった期日までに現金化を目的としている方々にとってこれは大きなマイナスです。そのため確実に売却代金が受け取れるとみなされる買主はありがたいのです。
手付金を払って契約し万が一融資が通らなければ手付金放棄というリスクを負いますが、事前に銀行と打ち合わせを済ましておくことでそういった急ぎ案件の物件を購入することができます。
次に居住用に関しては室内がすごく汚い時、築年数がとても古い特に戸建てでは業者価格で物件を購入購入できることがあります。
私は自宅の仲介業を行っておりましたので実際に業者さんにそういった物件を買い取ってもらうことがしばしばありました。
できれば高く自宅を売却してあげたいという思いはあるのですが室内の状態が悪い、あまりに古いとなるとそうもいかないこともあるのです。
売主にはできるだけリフォームを完了させた後に高値で売却することをお勧めしていますが、もう住まなくなった家にお金を投資することを皆さん嫌います。
内装は好みがあるので購入した方に好きなように直して住んでもらった方が良いという意見には一理あるのですが、実際のところそこまで手をかけて物件を購入する方は少数です。こんなに汚いのであれば他を見ようとなりますよね。
また資金面でも困ります。自宅はフルローンを組まれる方がほとんどですのでリフォーム代も融資を受けるとなるとオーバーローンになってしまいます。そのぶんの金利負担が高かったりそもそもオーバーローンを組めないこともあるのです。
さらに自宅は奥様(女性)が決定権を握ります。女性はお風呂場やキッチン洗面台などの水回りを特に気にされます。交換すれば綺麗になるものであってもパッと見汚らしいと思ってしまえば購入を控える方がほとんどです。皆さん住宅のプロではありませんのでリフォーム後の部屋の想像が付かないのです。そしてリフォーム費用の見積もりや入居までの手間など皆さん煩わしいことをしたくないのです。
そのため200万かけてその部屋が見違えるように綺麗になるとして、その分相場より200万円安く売りに出ていたとしても、そういった物件は成約し辛いのです。
区分マンションよりも戸建ではその傾向が強まります。区分マンションでは躯体はコンクリートですので後々問題が起きることはまずありません。また室内だけきれいにしてしまえば見違えるので思っていたよりリフォーム費用がかさむということが少ないのです。
一方戸建は壁をはがしてみると柱が腐っていたり、 内覧ではわからなかった瑕疵(見えない傷)があったりします。そのため古くリフォームもされていない物件では 予想をしなかったトラブルを恐れ、一般の方はやめておこうになるのです。不確定な要素が大きい分だけ区分マンションよりも戸建ての方が売りにくいのです。
古く、室内の状態が悪い物件を安く買うには、万が一躯体や設備に何か欠陥が見つかったとしても、後々何も請求しないという条件のもと購入することです。これを瑕疵担保責任免責と言います。 リスクを負う代わりに物件を安く譲ってもらうことができます。
他にも残債がまだ残っている方の自宅の住み替えの場合でも物件を安く譲ってもらえるケースがあります。自宅でローンが残っている方が次の住み替え先でまたローンを組むには既存の住宅を売却し、ローンを返済することが一般的な条件となります。
売却代金が確実に入ってこなければなりませんので、ここでもローン特約をつけないことが有利に働きます。また売主は自宅の売却代金を受け取ることで同日に次の物件の購入を行うことになりますので、決済当日に物件を引き渡すことができません。決済を行った後にもまだ前所有者に住んでいいという条件のもと、引渡を数日、数週間猶予する条件で契約することに価格面ではさらに有利に働くことがあります。当然物件を購入しているにもかかわらず、前所有者がまだ物件に住んでいるので、その間に設備に不具合が起きたり、部屋の状態が悪化する可能性があるというリスクを負うことになります。
正直、物件を買い叩くことは好きではありません。仲介をしてきたので売主さんの依頼があって物件を預かり納得した金額で売りに出しているという思いがあります。そのため相場より価格を大幅に下げて欲しいという買主は苦手です。
ですが、物件によっては融資特約や瑕疵担保免責といった条件を提示できれば、売主にも確実な現金化や後から問題が発生することを防ぐ、その他の条件を受け入れることでメリットを感じてもらうこともできるのです。仲介業者も難易度の高い物件を契約でき、買主も割安で購入できるという三方良しの状態です。
物件を安く購入するにはその分売主の要望に沿って見てはいかがでしょうか。