大西です。
アメリカは経済成長に合わせて毎年賃料が上がっていくのが通常ですが、地域によっては家賃の値上げに制限があり、過度に上昇することを抑えています。この家賃値上げ制限を『レントコントロール』といいます。
カナダやドイツ、イギリスにもある制度ですが、アメリカでは不動産価格が高騰しやすいカリフォルニア州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、メリーランド州で規制区域が指定されています。
カリフォルニア州ではロサンゼルス、ビバリーヒルズ、サンタモニカ、ウエストハリウッドの4市が実施しています。
ドラマ『The OC』の舞台にもなったカリフォルニア州オレンジ郡(オレンジ・カウンティ タイトル名にもなっている)は、現在レントコントロール規制はありませんが、賃料の高騰を懸念し今後規制化していく動きにあります。
対象の物件は1978年11月以前に建築された建物のみ、それ以降に建てられたものは対象外となります。ロサンゼルスでは築100年近い物件でも頻繁に取引されているため、規制の対象となる建築年月日のものが多くあります。
値上げの上限幅は地域によって違いがあるため確認が必要です。例えばロサンゼルス市はその対象であり、年間の家賃値上げは近年では約3%になっています。この数値はインフレ率などに合わせて毎年設定されます。
レントコントロールはサンタモニカ市が一番厳しく年間約1%となっており、基本的には海沿いのエリアなど賃料がインフレしそうな高級住宅地では規制が強くなる傾向にあります。
稀に家賃が相場の半額以下のようなケースも見られますが、これは10年以上も前に入居したテナントがずっと引っ越しせず住んでいるような場合です。
アメリカの不動産は全米平均でこの20年間に2倍の物件価格に上昇していますし、ロサンゼルスに限っていえば何倍にもなっています。一方家賃はと言うと、レントコントロールが年1%であればたった20%しか家賃は上がっていません。そのためこういった物件は超お得物件なのでテナントもなかなか出ていこうとは思いません。
テナントが出ていくとレントコントロールは関係なく好きな金額で入居者を募集できるため、長く入っていたテナントのあとは一気に跳ね上がります。
こういったレントコントロールがある地域の物件は、退去者がでたタイミングで家賃を大幅に上げることができるので、時間をかけて所有していられる方にとっては狙い目ともいえます。
アメリカで上記4つの州で物件を購入される場合は、レントコントロールを確認するようにして下さい。