大西です。
今後のアメリカ不動産価格は上がるのか下がるのかをよく聞かれます。先のことを完全に予知し安値で購入、バブル崩壊直前に売却ということはできませんが、アメリカの経済政策を見ていきますとおおよ今後どちらに向かうのかその予測は行なえます。
そこで本日は2019年以降の不動産価格に影響を与えるであろうアメリカの金融政策を4つご説明します。
大型減税
日本ではトランプ大統領の過激な発言などに注目が集まりますが、地元の人々の支持を集める大きな政策も行っています。2017年12月、アメリカ議会で個人所得税や法人税の税率を引き下げる大型減税法案が成立しました。
この減税額は今後約10年間で総額1.5丁ドル(160兆円)、日本のGDPの約3分の1に相当します。
個人には、子育て世代への税優遇と所得税控除を、法人税率は35%から21%へ下げ景気の刺激を図っています。
金融緩和
リーマン・ショックを反省し、2010年に金融危機の再発防止を目的に銀行が過度な融資を行わないよう規制を行う金融規制(ドット・フランク法)を設立しました。しかし2018年5月にその一部を見直す法案が可決され、厳格な規制、監督の対象から中規模以下の銀行が外されました。これにより金融市場、実態経済への資金循環が改善していくと見られています。
ロサンゼルス・オリンピックの開催
2028年にロサンゼルス・オリンピックの開催が決まり、今の日本のようにインフラ設備に資金が投じられます。これをアメリカは長年計画してきた交通システム設立の機会として捉えています。世界が注目する3週間が終了した後、アテネやリオのように不要なインフラや誰も使わない交通システムが残り、大量な損失を出すのではなく、チケットの売上と投資額を差し引きし、4億〜5億ドル(約438億〜547億円)の黒字を出す計画をしています。これを受けて利便性が更に増すロサンゼルスの不動産価格の上昇が見込まれます。
ドル安傾向
2018年1月に開催されたダボス会議におけるムニューシン米財務長官の発言、「弱いドルは良いことだ」「米国企業が公平に競争できるようにしたい」が米トランプ政権のドル安容認姿勢と市場は受け止め、一時ドル安が進みました。トランプ大統領が直接否定したことで多少持ち直しましたが、短期的には米国の輸出拡大を進める上でドル安、人民元高や円高を歓迎している印象があり、財務長官発言は不用意に内心を漏らした可能性があり、それ以前からドル安は進んできていることなどから、アメリカの為替政策がドル安方針に転換したと考えられます。
まとめ
大型減税、金融緩和、ロサンゼルス・オリンピックの開催、ドル安傾向から2019年以降アメリカ経済、金融市場、不動産市況はさらに拡大していくのではないかと思われます。