知っておくと有利なこと

収益性が高いアメリカ不動産の法則

大西です。

アメリカ不動産の購入と運用の事例から、手残りが多くなる物件について共通する条件があるので共有します。

結論からいうとそれは

①「広すぎない戸建て」

②「HOAのかからないまたは低いもの」

です。

実際に取り扱った物件の事例でご説明します。

広すぎない戸建て

具体的に言うと建物で1300sqft(スクエアーフィート)=約120㎡〜1800sqft=167㎡くらいのものです。(ロサンゼルスなどの大都市ではもっと小さくなり、郊外では2000sqftくらいのエリアもあります)

なぜ広すぎない方が良いのでしょうか?

それは、広くなるごとに賃料の増加以上に経費の負担が多くなるためです。

物件A 価格21万ドル 賃料1700ドル/月

物件B 価格23万ドル 賃料1800ドル/月

価格が9.5%上がると、賃料は5.9%上がります。

大きい部屋でも賃料が倍々にならないのは日本でも同じです。

2倍の広さでも賃料は2倍にならないのは仕方ないのですが、かかる経費がこの9.5%増しや5.9%増しではなく、面積の増加率に近い割合で上がります。

火災保険

物件A 1500sqft 火災保険料1300ドル/年

物件B 2000sqft 火災保険料1700ドル/年

火災になったときに保証する物件が広いほど再建築費用が高額になるため、火災保険も高くなります。

広さが33%広くなり、保険料は30%上がります。

※日本人では現地の方より保険料が高くつく傾向にあります。安い保険に加入できる現地人では気にしないのかもしれませんが、日本人が投資をする場合には保険料をできるだけ抑えられる物件が収益性を考えると望ましいです。

修繕費用

物件が広いと、当然張り替えるカーペットの面積も塗り直す壁の面積も広くなり、また職人さんを拘束する時間も増えるため修繕費も広さに比例して上がります。

最終的に売却する際にもきっちりと売れる状態に修繕しバリューアップしますが、その費用にも影響します。

土地も無駄に広い必要はない

狭い物件で広い物件と同じ賃料を取れるのであれば当然そちらの方がよいと思われますが、日本ではそのような選択はしません。

土地が広い(≒建物も広い)方が物件の評価額が上がり、融資も受けやすいからです。

日本では建物は減価償却していくもので対応年数が残っていなければ銀行評価がでません。

土地は目減りしないので、同じ収益性の2物件を比べた場合に土地が広く評価が高い方が融資が受けやすいです。

また最終的に建物を取り壊して土地で売却する際も土地値が高い方が有利と言えます

また限られた土地に建ぺい率、容積率目一杯に建物を建てる傾向にあるので(敷地を有効に活用できるよう)必然的に建物面積も広くなります。

同じ収益性であれば土地の割合が多いかつ広い物件を選ぶのが日本です

一方でアメリカ不動産であれば土地が広いということで融資が付きやすいといったことはありません。

土地と建物を分けては考えることはなく、その収益性が物件の価値となります。

そのため賃料さえ取れる物件であれば広い物件を選ぶ必要はあまりないのです。

むしろやや狭いがお風呂やキッチンなどが取り替えてある物件の方が、賃料はしっかり取れ、追加の修繕費もかかりにくいと言えます。

当然、居住用として売却する際には近隣と比較した価格や間取りも影響しますので戸建てを求めている方の最低条件は満たす必要があります。

最低条件

小さい(狭い)方が投資効率は良くなりますが、最低限の広さは必要です。

具体的には、

3ベッド(部屋)

2バス(お風呂)

2パーキングエリア(ガレージが好ましい)

この条件がファミリー層が物件が求める戸建ての条件です。

家族4人で生活して夫婦が1台ずつ車を持つとこのスペックが必要です。

これ以下だと探している方の検索の段階で引っかからなくなるので注意が必要です。

この条件を満たす物件で賃料が取れるのであればあまり広すぎない物件のほうが手残りは多くなります。

HOAのかからないまたは低いもの

HOAとはコンドミニアムでは管理費・修繕積立金といった扱いですが、戸建てにもHOAがかかるものがあります。

HOAとは?不動産の資産価値を守る仕組み

HOAが月額30ドルくらいのものは町内会費のようなものですが、なかには月額200ドル、300ドルとかかるものもありそれらの費用は以下のようなものに使われています。

共有の施設(プールやバーベキュースペース)の運営

毎月の芝刈り

偏差値の高い学校の運営

このように皆で資産価値の高い地域を維持するために使用されています。

そのため汚い庭をほったらかしにしているような家には注意してくれたりとありがたい面もありますが収支を圧迫します。

HOA分、賃料が高く取れるのであれば問題ありませんが2〜300ドルの違いがでないことも多いです。

そのため200〜300ドルのHOAを支払うエリアの方が手残りは少なくなる傾向にあります。

HOAは空室の間でもオーナーに負担がかかるので、賃貸経営という視点からは低い方が良いと言えます。

まとめ

広すぎる戸建ては保険料や修繕費が多くなり手残りが少なくなる傾向にあります。

またHOAが月に数百ドルかかる物件も手残りが残りにくいです。

投資効率を考えるのであれば1500sqftほどの3ベッド2バス2パーキング物件でHOAがかからない、もしくは低いものを選ぶと良いでしょう。

この結果は、私が売買のサポートを通して得た事例から集計した結果です。当てはまらない地域もあるかと思いますのでご了承下さい。