知っておくと有利なこと

アメリカ人は家を4回買い換える

大西です。

日本では家を買うこと=夢のマイホームであり、結婚を境に新築物件を購入し多くの方が35年のローンを組んで定年までに完済と言う人生設計を行います。

日本人にとってはマイホームは一生に一度の一番大きな買い物であると言えます。

一方アメリカ人は一生のうち4回家を買い換えると言われています。新婚時代は職場の近くや都心に近い小さなマンションに住み、子供ができたら郊外のタウンハウスや一軒家に引っ越します。子供が小学校に上がる頃には学区の良い地域のファミリータイプの戸建てに住み替え、 子供が大学院に行く頃や卒業し就職をするタイミングでは、 再び夫婦2人で小さな住まいに住み替えます。

なぜこのような違いが起こるのでしょうか?

日本では住宅ローン金利は1%を切っており、住宅ローン控除なども含めると実質借りていた方がお金がもらえると言う逆転現象が起きています。低金利なので住宅ローンの減りは早いのは良いのですが、それと同時に物件価格の下がり方も尋常ではありません。一部の首都圏の利便性の高い住宅を除き、木造戸建てであれば建物の価値は22年で0になってしまいます。最後に土地が残るというのが未だに信じられていますが、人が減っていく地域においては購入する人自体が見つけられないこともあるのです。そのような地域で新築後10年経った時に住み替えをするとどうなるのでしょうか?多くの方が残債より売却価格の方が少なかったり、頭金を入れている人でもその売却価格を見てがっかりしてしまいます。『この価格で売るのであれば住んでいたほうが良い』というのが日本の中古市場の感覚ではないでしょうか。

一方アメリカは2019年現在、住宅ローンを組むと金利は4%台後半であり住宅金利1%未満で借りられる日本と比べても非常に高い水準です。金利が高いということは毎月の金利返済分が大きくなり、住宅ローンの残代金の減りが少ないということです。ローン残額が多く残っているにもかかわらずアメリカ人は人生のステップに合わせて住み替えを繰り返すことができます。

その理由は購入時より売却時の方が不動産価格が値上がりしているからです。当然短期的にはリーマンショック後のように下落する局面はあるものの長期的にみると値上がりしているのがアメリカの不動産市況です。

アメリカではある程度住んでから自宅を売れば売却益が得られるので、次の自宅を買うための頭金にすることができ、それを繰り返すと定年後こじんまりとした家を買う時にはこれまで積み重ねてきた売却益によりキャッシュで購入することもできるのです。

高度経済成長期の日本でも同じ資産形成方法が取られてきましたが、現在では都心の一部を除いて不動産は値下がりを続けているというのが日本の現状です。

みなさんがアメリカの中古不動産の価格が上がっていくということに違和感を感じるかもしれませんが、世界的にみると日本が異例でありイギリスもオーストラリアも不動産価格は上がります。その理由は住宅における新築の流通が関係しています。

日本は流通している物件の約85%が新築であり中古市場は約15%にとどまります。アメリカは反対に約83%が中古市場であるため、新築が良い、築年数が新しいものが良いという概念がありません。

中古住宅流通シェアの国際比較

出典:国土交通省

むしろ人口が増えているのにも関わらず新築が立たないので、綺麗にリフォームされている物件がありがたく築50年であろうとも喜んで購入します。

同じお金を借りて不動産事業をされるのであれば、今後も上がると見込めるものに投資された方がよいのではないでしょうか?

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