知っておくと有利なこと

フリップとは?アメリカの不動産投資法!購入する場合は注意が必要

大西です。

不動産を購入して修繕を行い、物件価値を高めたうえで短期転売を行うことにより利益をあげる不動産投資法を「フリップ(flip)」といいます。

アメリカでは人気の投資法で多くの方が行っていますので解説します。

フリップ(flip)はなぜ人気?

商売の原則は「安く買って、高く売ること」ですから、不動産においても同じことが言えます。

フリップは昔からある手法で人気の理由はやはり短期に多くの利益が見込めることではないでしょうか。

フリップは日本でもある、いわゆる買取転売ですがアメリカのそれは異なる事情が2つあります。

中古市場が安定していること

日本では古い物件を買取り、修繕にかなりのお金をかけ新築同様にしたとしても、新築と同じ価格で売却することはできません。

これは新築物件が次々建築されるため、わざわざ築古リノベーション物件を買う必要がないということが挙げられます。

居住用物件の例になりますが、築45年の戸建てにお住まいでお風呂を200万円かけて最新のものにリフォームされたご夫婦がいます。

その1年後、足腰が弱ってきたので賃貸マンションに引っ越しをされました。

引っ越し後、戸建てを売却されましたが査定額は土地値です。

もう住む人はいないという判断で、お風呂の工事費用は売却額に加算されません。

これにはその物件を買って住む若者がいないという人口減少も影響しています。

そのため一部の都心ではこの限りではありませんが、全般的に日本ではお金をかけて直したとしても、その投資を回収しずらい環境にあります。

しかし、アメリカは需要と供給のバランスを保つために新築の着工戸数を制限しています。(他先進国も同じ)

そのため流通している不動産の8割以上は中古物件であり、中古不動産市場が確立されていることから、

リノベーションされ機能的に快適に暮らせる物件であれば、築年数は関係なく売買が行われます。

つまり、キッチンやお風呂などの設備に投資したお金が返ってきやすい市場と言えます。

アメリカ不動産の価格が上がる理由と日本の中古住宅価格が下がる仕組み

個人でもフリップを行えること

人気がある理由は、フリップは個人でもできるということも挙げられます。

日本では宅地建物取引業にあたるので、資格を持たない個人・法人(資産管理会社)ではこの投資手法はできません。

業者でなくとも「法人で購入し3年賃貸経営をするなどし、その間修繕を行い満室稼働するようになったものを高値で売り抜ける」といったことはできますが、短期売買を何度も行うことは禁止されています。

しかし、アメリカはこれらの制限はなくまたテレビなどでフリップを取り上げたリノベーション手法を伝える番組があることなどから、個人でもできる投資法と認知されています。

アメリカは個人でも短期買取転売ができる

フリップ対象の物件

ではどのような物件がフリップ対象として購入されるのでしょうか。

それは安く購入でき、修繕費用が比較的抑えられ、高値で売却できるような物件です。

安く購入できる物件は、本来であれば魅力的な物件であるが売主の手入れが行き届いておらず、買主が多くのリフォーム費用をかけなくては住めないまた住むことが想像できないような場合、敬遠され売れ残るっていたりします。

修繕が安く済む物件は、お金がかかるところは今のままで使えるが、比較的安く直せるようなところが汚れているような物件です。

躯体

エアコン(集中換気)

給湯器

屋根

風呂

トイレ

などは交換費用が高くつきますが、

ペンキ塗り

カーペット交換

などは広い面積をしめ、印象を大きく変えますがあまり費用はかかりません。

最終的には売らなければ利益が確定しませんので立地にはこだわります。

誰も買わなくなって安くなっているようなエリアでは最後高く売り抜けることができません。

場所は良いが、物件の魅力に問題がありそれを直せば高く売れるというエリアを狙います。

利益はどのくらいあるか?

利益は大体物件価格の15%前後で見ているところが大半かと思います。

一度物件を仕入れること(売れ残り)

転売するまでの融資金利(アメリカ業者の場合)

リフォーム費用の誤差

などのリスクを伴う反面、利益も大きくなります。

必要とされる能力

これだけ利益が見込める投資法ですが、その分リスクも高くなり、また多くの知識が求めれます。

市場分析力

相場がどのくらいなのかその対象エリアを理解していなければそもそも割安なのか判断が付きません。

物件の目利き

相場より安い物件を内覧しても、物件単体が良いのか悪いのかの見極めができなければなりません。

交渉力

どれだけ安く購入できるかがフリップ成功のポイントです。

リフォーム・工事の知識

いくらで、どのくらいの期間の工事でリフォームが完了するのか概ね分かっていなければなりません。

資金力

早く有利に購入の交渉を進めなければならないので現金購入が望ましいです。リフォーム資金のことも考慮しなければなりません。

マネージメント力

これらを全て自身でやる必要はありません。物件購入はブローカー、リフォームはリフォーム業者へと委託すればよいのです。

しかし、各パートナーに指示を出す必要がありますのでそのマネージメント力が求めれます。

例えば、工事も進捗管理をしていなければ納期は遅くなり、資金回収も遅れます。

リフォーム費用の相場を分かっていなければ業者に騙される可能性もあります。

投資というより建設事業を営んでいるという意識でいた方がよいと思います。

フリップ物件で気を付けること

フリップをする場合の利益とリスクという面からお話を進めてきましたが、その物件を購入する側としても注意が必要です。

先ほどお伝えしたとおり、フリップは個人でも誰でもできる副業に近い側面があります。

よく分かっていない個人がリノベーション工事をした物件も市場には混ざっているということです。

リフォーム業者はプロでしょうが売主が素人の場合、品質が担保されているとは限りません。

日本であれば売主が宅建業者であれば、物件引渡しから2年間の瑕疵担保責任が伴います。

そのため後々問題が発生しないよう業者も注意を払いますが、そういった法律はアメリカにはありません。

利益目的で表層のみ仕上げてあるような物件を掴まないためにも、投資家も知識を付ける必要があります。

まとめ

中古不動産売買の盛んなアメリカではフリップで大きな転売益を得られる可能性がありますがリフォームなどの専門知識が必要です。

またアメリカでは個人でもフリップが可能なので、素人の粗悪物件を掴まないよう注意が必要です。