入居者募集・管理

アメリカの不動産管理会社の仕事内容 入居者募集編

大西です。

不動産投資を成功させるために必要なことは、第一に物件を安く購入するということです。

概ねそこで勝負が決まるといってもよいのですが、もう一つ大事なことがあります。

それは「物件管理」です。

不動産投資は賃貸業ですので賃料を受け取らなければ商売になりません。

購入した後に、どれだけ空き期間が少なく賃料を回収できるかによって同じ物件でも収益性が変わります。

そこで、今回はアメリカの管理会社の業務内容と日本の管理会社との違いや、付き合い方についてお話します。

募集賃料の設定

日本では管理会社と話をして近隣相場などから募集価格を設定します。

アメリカも同じですが、馴染みのない国・エリアなので賃料相場がピンとこない方が多いかと思います。

そのため、まずは管理会社がおすすめする金額で募集を開始することになるかと思います。

入居準備

入居募集の条件が決まると、まずは電気や水道などの契約を管理会社が行い内覧できる状態を作ります。

基本的には中古物件を購入されていると思うので、修繕が必要な箇所があるのであればその手配を行います。

修繕がない場合でも、カーペットクリーニングと清掃くらいは行うと思いますので、見積もりや現地立ち合いを依頼し、案内ができる状態に仕上げていく必要があります。

入居者募集

次に、インターネット上に募集要項を記載して賃貸募集を開始します。

アメリカではオーナーも建物図面をほとんど持っていないため、募集要項には間取図などはほぼありません。

そのため電気をつけ明るい状態で多くの写真を賃貸募集サイトに掲載するようにします。

物件案内~鍵の引き渡し

その後、反響があれば現地内覧の立ち合いを行います。

内覧者が気に入れば入居申込みをもらい、契約条件や入居希望日の調整入居希望者のクレジットヒストリーや犯罪歴などの調査を行い、賃貸借契約書の締結、入居日に鍵の引き渡しが一連の流れとなります。

入居者の選定方法については下記を参照下さい。

アメリカでは大家がテナントを選べます

賃貸募集費用

賃貸募集費用は通常は賃料の1か月分をオーナーが管理会社に支払います。

州やエリアによっては賃料の3/4か月相当額と少ないところはありますが、日本のように広告料を2、3か月分取るようなことはありません。

これは需要と供給の問題で、日本は住宅の供給過多なので管理会社に正規報酬以上の金額を支払い、自分の物件の入居付けを優先してもらうようにします。

しかし、需要と供給がつりあっているアメリカでは原則オーナーが賃料1か月分を支払うのみで、入居者も管理会社に報酬を支払うことはありません。

また、管理会社とは別のところが入居者を連れてきた場合、その1か月分のフィーを2社で折半します。

アメリカは広大なので案内する際のガソリン代と時間がかかることも考慮すると、管理会社はかなり薄利で入居付けをしてくれているので感謝しなければなりません。

アメリカの不動産管理会社に期待できないこと

注意をしたいのが入居付けが決まらない場合や賃料変更を行う場合です。

エリアにもよりますが入居付けに通常1~2か月、場合によって3か月くらいかかりますがそれでも決まらないとなると、価格設定が市場とあっていない可能性が高いです。

日本であれば、1か月間募集してみて反響が0であればそのことを報告し、空室期間の機会損失を減らすために価格変更の相談をしたりしますが、そういった先回ったサービスのようなものはアメリカの管理会社にはありません。

「募集から1か月過ぎましたが案内何件ありましたか?」

と聞かなければ管理側から報告はありません。

価格が適正ではないという判断をして、オーナー自ら募集賃料を下げるよう依頼しなければならないのです。

基本は賃料を下げてでも早く入居付けをした方が良い

投資用コンドミニアム1棟であれば、最終的に売却する際も投資用1棟として売りに出します。

いくら賃料を取れているかというのが利回りという大事な投資指標なるため、あまり安く入居付けをすると売却価格も下がるという相関関係にあります。

そのため安易に募集賃料を下げるという判断はできません。

しかし、戸建てやコンドミニアム1部屋であれば最終的には賃貸人が退去したときに居住用として現地の方に売却します。

そのため、出口の事は気にせず賃料の回収率を高めることだけ考えた方が良いのです。

賃料が1,800ドルで入居付けまでに4か月ほどかかるのであれば、賃料1,700ドルで2か月で入居付けしたが回収効率が高まります。

2か月間の空室1,700ドル×2=3,400ドルを埋めるのに賃料100ドル差であれば34か月もかかるからです。

こういった、オーナーに有利になるよう考えるといったコンサルティングやサービスはアメリカの不動産管理会社には期待できないということを理解しておいた方が良いでしょう。

アメリカの不動産管理会社の仕事内容 入居時対応編

入居付け費用が安い分、通常の管理費は日本よりは高くなっています。

その業務内容については、次でお話させて頂きます。

アメリカの不動産管理会社の仕事内容 入居後対応編