入居者募集・管理

アメリカ不動産の入居者選定と人種について

大西です。

アメリカでは大家がテナントを選べますでご説明したとおり、オーナーは沢山申し込みがある入居者希望者の中から信用力をクレジット・スコアなどから審査を行い、どなたに借りてもらうか選ぶことができます。

当然滞納の可能性が低く、長く入居してもらえる方を選定するのですが一つだけ行なってはいけないことがあります。

それは人種などによる選定です。

世界中から様々な人が集まり多くの人種が混じり合うアメリカでは、全ての人に平等な自由があることを尊重しており、人種等に対する差別行為は法律で厳しく禁じられています。

住宅に関しては「公正住宅法」という連邦法があり、賃貸住宅や物件購入に対して平等な機会を与えると共に、人種や肌の色、出身国、宗教、差別、家族構成、身体障害等による差別を禁じています。

複数ある入居希望者の中から、一番クレジット・スコアの良い方を出身地などの先入観から入居を拒否したとします。そして支払能力が低いにも関わらず同じ人種の方を選びます。

その事実を知った入居を拒否された方が、役所などに苦情を訴えるとオーナーに罰則が課される可能性が高いのです。

また、ある一部の人に特権を与えることも禁止しています。日本人オーナーが、日本人の入居者であれば靴を脱いで部屋もキレイに使ってくれるだろうと優先して入居を認めるということも違法となります。

この法律はオーナーもですが、不動産業者には特に厳しく、違反すると業務停止処分を受けることもあります。

案内の際に、「隣は何系の人種の方が住んでいて、斜向いは何教の人が住んでいるのであなたに適してますよ、このエリアは何系の方が多く住む街なので、別のこのエリアの方が良いですよ」などと促すことはしてはならない行為です。

アメリカでは、金銭的支払い能力を重視しそれ以外において選んだり優遇することは厳しく禁じられているのです。