大西です。
以前、アメリカ不動産の固定資産税がどのように決まるのか、その仕組みについて解説しました。
固定資産税を学校や公共施設などの運営費に充当している関係もあり、日本と比べアメリカの物件固定資産税は高くなります。
しかし、その固定資産税の額が間違えている(実態と伴わない)こともしばしば。
請求が来たが、
「お隣さんより随分高い」※アメリカは誰でも固定資産税をインターネット上で見れます
「ぼろぼろの古家を買ったのにおかしい」
そんな固定資産税に不満があるときに、お手軽に再検査を要求できるサービスが数か月のうちに利用できそうです。
固定資産税の決まり方
固定資産税は時価≒評価額×税率で決まります。
日本では時価>>評価額となるため、特に築古の木造は税額が安く抑えられます。
築年数が経過すると共に建物価値が下がり、評価額も徐々に下落するのが日本の計算方法です。
しかし、アメリカでは築年数が古くなろうが物件価格は上がります。
アメリカ不動産の価格が上がる理由と日本の中古住宅価格が下がる仕組み
固定資産税も下がることはなく、実勢価格と連動して上がっていきます。
そのため、日本の不動産投資に慣れている方ですと、アメリカ不動産投資の場合は費用の中で固定資産税の占める割合が高いことを感じます。
固定資産税が正しいとは限らない
しかし、必ずしも固定資産税の金額が正しいとは限りません。
固定資産税は鑑定士が物件情報や購入価格、近隣相場、過去の固定資産税、エリアの価格上昇など複合的要素を加味して算定しています。
膨大な数を捌いていると思われますので当然ヒューマンエラーは起こります。
※役人でも決済書類の名前を間違えていたりといったことがアメリカでは何度もあります。
また、室内を内覧している訳ではありませんので実態と伴わないこともあり得ます。
築80年の物件が、築10年の物件より高値で売買されることも多いのがアメリカです。
古かろうが、メンテナンスの状況、リフォームの実態に応じて価格は上がります。
当然逆も起こりえます。
また、近隣の取引事例と比較することで物件価格を算出しています。
そのため、お隣のフルリフォーム物件が高値で取引をされればエリアの平均価格は上がります。
当然、自分の物件価格(評価額)に影響を与えることとなります。
※ちなみに、弊社で同じコンドミニアムを別々の方にご購入頂いています。大きさが違いますが、固定資産税の金額は全く一緒です。
戸建てで敷地面積が違いますが、3件隣全て同じ固定資産税だったりもします。
再査定を請求するのは大変
固定資産税がちょっと高い気がしても、再査定を依頼する人はごくわずかです。
例えば課税対象の面積を間違えていたりすれば明らかですが、どのように算定されているか、何が間違っているかが定かではありません。
また、請求されている固定資産税が高いことを訴えるためには妥当な金額を第三者に算出してもらわなければなりません。
弁護士や鑑定士に依頼する手間や費用を考えると、費用対効果が合わず
「まあ仕方ないか」となってしまう人が大半。
そこで登場したのが下記のサービスです。
固定資産税の節税を自動化するTaxProper
米国で固定資産税の節税を自動化するTaxProperが2億円超を調達
成果報酬型なので、固定資産税がちょっと高いなと思った時に使わない手はなさそうです。
現在利用できる地域はシカゴに限られますが、近々ニューヨーク州とテキサス州にも進出するようです。
日本人は特にテキサス州ダラスに投資している人も多いのではないでしょうか。
テキサス州は他の州よりも固定資産税が随分高いので効果がありそうです。
物件価格の高騰もあり、近隣の売買につられて高めに評価額が算出されていることもあるかと思います。
一度試してみてもよいのではないでしょうか。他州でも使用できるようになり私の方でも事例ができましたらご報告したいと思います。
まとめ
アメリカ不動産の固定資産税は日本より高めであり、投資の場合は収支を圧迫する原因となる。
しかし、実態と合っていない可能性も。
今までは再査定を請求するのが手間であったが、AIで自動化されたサービスが登場。
それにより費用と時間、手間も大きく短縮できることに。
他州でも近々サービスを開始するようです。
固定資産税が高いのではないか?と思う方は一度使ってみてはいかがでしょうか。