大西です。
前回アメリカの不動産管理会社の仕事内容 入居者募集編についてお話させて頂きました。
今回はその続き、入居してからの管理会社仕事内容についてご説明します。
HOAの支払い代行
月々かかるHOAの費用を支払い代行してもらいます。
また、固定資産税の請求がある場合は対応が分かれます。
金額が大きいので所有者本人に支払ってもらうケースも多いようですが、弊社では代わりに支払いを済ませ家賃と相殺するようにしています。
家賃の回収
無事、入居が完了しましたら初月の家賃回収を行います。
入居月は通常日割り精算を済ませているので、翌月分の家賃を回収します。
何もなければ、指定した口座に入金が完了していることを確認するだけですが、遅れていたりすると催促の電話等を行います。
オーナーへの報告書作成
オーナーへ月次報告と共に入居者から回収した賃料の支払いを行います。
この際に修繕があった月などはその費用やこれまでのHOAの支払い代行をしていた分などを差し引きします。
修繕工事
設備などに不具合がでれば、入居者から電話がかかってきますので対応します。
通常、入居した月や翌月に問題が発生することが多く、それを過ぎると電話はかかってこなくなります。
緊急の管理対応
賃貸借契約の取り決めによっても異なりますが、突発的な修繕には一定額以下であればオーナーに判断を仰ぐことなく修繕を行います。
例えば、真夏に入居者からエアコンが効かないなどの苦情があった場合にはすぐに対応しなければ、脱水症状などになってしまうと裁判になる可能性があるからです。
時差もあるので、都度オーナーに判断を仰いでいれば手遅れになってしまうこともあります。
そのためある程度、管理会社に権限を持たせておくのがよいでしょう。
通常300ドル以下の修繕であれば、管理会社判断で直してしまえるという契約内容が多く見受けられます。
初年度はHome warrantyに入った方がよい
急を要する場合には300ドル以下であれば管理会社対応というお話をしましたが、
3万円ほどで対応できるのか?と思われた方もいると思います。
購入した初年度は設備不良がそれなりに発生するため、Home warrantyに加入しておくことをおすすめしています。
引渡し後の設備不良対策 Home warrantyは加入すべき
Home warrantyに加入しておくと、何かあった際には概ね100ドルで修繕を行ってもらえますので、300ドル以下で済むことがほとんどです。
管理費用
管理費用は戸建て・コンドミニアムの1部屋であれば賃料の10%がほとんどです。
コンドミニアム1棟であれば管理箇所が集中するので8%など少し割安になります。
日本の管理費用と比べると少し割高に感じるかと思いますが、これでも実務を考慮すると薄利だと言われています。
日本のように〇〇駅周辺の物件の案内・管理というように集中しているものではなく、広いアメリカのエリアを1件1件車で数十分かけて移動するので時間と手間がかかることが要因ではないかと思われます。
また前回アメリカの不動産管理会社の仕事内容 入居者募集編でお伝えしたように、テナント付けでフィーがあまりもらえないようになっているのでトータルでバランスが取れているのではないかと思います。
契約期間満了・更新
アメリカの賃貸借契約の期間は特に定めはありませんが1年契約が一般的です。
期間満了前には更新の意思確認を行い、更新希望の場合は条件を確認し更新手続きを行います。
日本では契約更新をしても家賃は変更なしか、入居者が値下げを申し出た場合には減額か同じかになることが大半です。
アメリカでは、物価も給料も年々上昇しているのでそれに合わせえて多少の値上げをすることは珍しくありません。
そのあたりの交渉も行うため、更新時には半月~3/4か月分の更新費用をオーナーから受け取る管理会社もあります。
退去時業務
更新を行わない意思を確認した場合は退去日時を設定します。
退去当日には現状確認のため立ち合いを行い、壊れている箇所はないか確認を行い現状回復費用を確定させます。
入居時にはセキュリティ・デポジット(敷金)を賃料1か月分預かっているので後日精算を行います。
壊れているものが何もなければ、清掃費用とカーペットクリーニング費用(300~800ドル程度)を差し引きして入居者に返金します。
現状回復工事
セキュリティ・デポジットから差し引いたお金で修繕工事を行います。
このタイミングで家電や設備交換などリフォーム・グレードアップ工事を行う場合には同時に済ませてしまいます。
それらが完了すると、再び入居者募集という一連の流れになっています。
アメリカの管理会社に期待できないこと
言われたことはやるが、言われなければやらないというのが基本スタンスです。。
例えば今後いくらの賃料で入居付けを目標に、いくらリフォーム費用をかけてどこまでバリューアップをするのかといった提案には期待できません。
これは日本でも同じですが管理会社は投資家ではありません。
畳は交換ではなく表替えで、トイレは最新のモノに交換、お風呂・給湯器はそのままといったことをオーナーが判断しなければなりません。
日本の管理会社であれば、これは交換ではなく清掃に留めた方がよいなど、こちらの「費用を抑えながらできるだけ家賃を取る」という意図をくみ取ってもらえますが、アメリカは言わなければそうなりません。
投資家側も対等に話ができるよう知識を付けなければならないのです。
このサイトではアメリカ不動産オーナーが知っておくと有利な知識を公開していますので、こちらもご覧になって下さい。
また、管理についてご相談のある方は下記よりご連絡下さい。